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2023.12.15
介護職員初任者研修とは
介護職員初任者研修は、これから介護のお仕事を始める⽅や始めたばかりの⽅がまず最初に取得するべき資格と⾔われています。
取得することによって介護サービスのひとつである訪問介護が可能となるほか、基本的な介護の知識と技術を習得することができます。
介護職員初任者研修はどんな資格?
取得することで、訪問介護ができるようになる
初任者研修を取得すると、介護保険サービスのひとつである「訪問介護(の⾝体介護)」をおこなうことができます。
訪問介護というのは、要介護状態になった⾼齢者の⾃宅などで⼊浴、排泄、⾷事の介助、掃除、洗濯、調理などの援助をおこなうサービスです。 ⼀般的な⾃宅(マイホームや賃貸住宅)に限らず、住宅型有料⽼⼈ホームやサービス付き⾼齢者住宅などといった、介護が必要な高齢者専用の集合居住地でも、提供されるのは訪問介護サービスです。そのような場所で勤務するには、この資格が必須となります。
取れば一生使えて、全国どこでも通用する資格
初任者研修は、国(厚⽣労働省)が基準を定めて、各都道府県が指定した⺠間事業者が実施します。地域によって多少のちがいはありますが、基本的にはどこで受講しても同じ内容の研修となり、取得後は全国どこでも通⽤する資格となります。
また更新制度もなく、取得すればずっと効⼒を持つ「⼀⽣もの」の資格です。
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資格取得のメリット
働ける職場の範囲が広がる
上で述べたことの繰り返しになりますが、初任者研修を取得すると訪問介護をおこなうことが可能となります。
初任者研修の資格がなくても働ける特別養護⽼⼈ホームや介護⽼⼈保健施設、介護付き有料⽼⼈ホームなどに加えて、住宅型有料⽼⼈ホーム、サービス付き⾼齢者住宅、訪問介護事業所で勤務することが可能となり、選べる勤務先の数が⼤幅に増えます。
介護の基本的な知識・技術が⾝につく
介護職員初任者研修の講座では、介護をこれからスタートする⽅や、始めたばかりの⽅が⾝につけておくべき知識と技術を学びます。
介護保険の仕組みと法律、⽼化や障害に関する基礎的医学、⾼齢者の⼼理、などといった介護をおこなう上で知っておくべき知識に加えて、移乗・移動、⾷事介助、⼊浴介助、排泄介助などの基本的な動作技術を、実際のベッドや⾞いすなどを⽤いながら実際に体を動かして覚えていきます。
介護という分野について幅広く網羅しつつ、座学と実技を交えながらコンパクトにまとめ上げられた研修プログラムであり「介護の基本」を押さえるには適した内容となっています。
介護職であればどんな施設形態への就職にも有利
当然、就職にも有利に働きます。
この資格がないとできない訪問介護職への就職はもちろん、それ以外の介護の現場においても、初任者研修資格を所持することにより未経験者でも採⽤の確率はぐんと上がります。 介護の職場は、その形態によってさまざまな分類がされていますが、結局のところ、やることは「⽣活で何らかの援助が必要な⾼齢者や障がい者への⽀援」に落ち着きます。
特に排泄介助や移動・移乗の介助などの⾝体介助は、対象者が⼈間である以上、⼤幅にやり⽅が変わることはありません。 初任者研修でしっかりと学んだ知識・技術はどんな介護の現場でも活かせますし、採⽤する側もそのことをよく知っているため、就職において無資格者よりも有利となります。
給与のベースが上がる
介護業界は「資格がモノをいう世界」です。
あくまで⼀般的な傾向ですが、無資格、初任者研修、実務者研修、介護福祉⼠といった順に給与が⾼くなります。もちろん勤続年数や仕事ぶり、事業所内での役割や役職なども加味されるのでこれが絶対というわけではありません。ですが、ほかの業界より資格を重視する傾向が強いです。
特にパート・アルバイトや派遣など、時給で⽀払われる雇⽤形態で働く場合に、その傾向は顕著に現れます。時給そのものが資格によってランク分けされているイメージです。
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介護職員初任者研修の資格取得方法
通学課程と通信課程の違い
介護職員初任者研修の総履修時間は130時間です。すべてを履修したあと、最後に1時間程度の修了試験があり、それに合格すると修了となります。
その履修⽅法には⼤きく分けて通学課程と通信課程があり、通学課程は130時間のすべてをスクールに通って履修し、通信課程は130時間のうち最⼤で40.5時間を⾃宅学習(通信課題)に充て、残りの89.5時間(最少)を通学で受講します。
履修⽅法は講座によって異なっており、通学課程を通信課程に途中から変更したり、またその逆をおこなったりすることは基本的にできません。
カリキュラムの内容
通学課程・通信課程のどちらを選択しても、スクールに通い、講義を受講する必要があります。この時間を「スクーリング」と⾔います。講義で学ぶカリキュラムの内容とスクーリング時間は、以下の通りです。
科目番号 | 項目 | 時間数(通学コース) | 時間数(通信コース) |
---|---|---|---|
1 | 職務の理解 | 6時間 | 6時間 |
2 | 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 | 1.5時間 |
3 | 介護の基本 | 6時間 | 3時間 |
4 | 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 | 1.5時間 |
5 | 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 | 3時間 |
6 | 老化の理解 | 6時間 | 3時間 |
7 | 認知症の理解 | 6時間 | 3時間 |
8 | 障害の理解 | 3時間 | 1.5時間 |
9 | こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 | 63時間 |
10 | 振り返り | 4時間 | 4時間 |
合計 | 130時間 | 89.5時間 | |
修了テスト | 1時間 | 1時間 |
※通信の時間は最少数です。スクール・講座によって異なる場合があります。なお、地域によってカリキュラムが若⼲、異なる場合があります。
フクシカサーチの一覧から各講座をクリックまたはタップすると、講座ごとの詳細スケジュールが確認できます。
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番号の1〜8までは主に講義が主体です。講師の說明をただ座って聞くだけではなく、受講⽣同⼠のグループワークを取り⼊れたり、視聴覚教材などを使⽤したりして、各スクールの講師は、受講⽣が飽きないように⼯夫して授業を進めてくれます。
番号9「こころとからだのしくみと⽣活⽀援技術」は、実技が主体となります。
ベッドや⾞いすを使⽤しながら、実際にからだを動かして介護の技術を習得していきます。研修全体を通して、⼀番のハイライトとなる部分です。特にボディメカニクスという原理を活⽤した腰や背中に過剰な負担がかからない介護の⽅法は、覚えることによって⼩さな体型の受講⽣でも⼤柄な利⽤者さんへの介護が可能になりますので、ぜひ⾝につけたい必須の技術です。
通信課題について
通信課程の課題は、開講初⽇のオリエンテーションで配布されるか、申し込んでから開講⽇までの期間に⾃宅に送られてきます(配布⽅法はスクールによって異なります)。通信課題と同時に教科書もいっしょに渡されますので、届き次第、教科書を読み進めながら課題を解いていく、という流れになります。
「スクーリング前に届いた課題を、1⽇ですべて解いてしまった︕」などという特殊なケースは除くと(課題の分量はけっこうあります)、通常は課題とスクーリングを並⾏して進めていくかたちになると思います。単元ごとに課題の提出⽇が決まっていますので、期限までに提出し、合格基準点を満たせばその単元の課題は合格、ということになります。
効果測定と修了試験
介護の実技(こころとからだのしくみと⽣活⽀援技術)に関しては、最後のまとめとして効果測定があります。習得した技術をもとに⾃分⼀⼈で介護をおこなえるか、講師が判定します。そして、すべてのカリキュラムを終えたあとには修了試験があります。修了試験は筆記試験となり、合格基準点(だいたい70点以上)をクリアすれば、晴れて修了となります。
「筆記試験」と聞くと苦⼿意識を持つ⽅も多いのですが、今までの講義の内容が習得できているかどうかの確認テスト的な意味合いが強く、難易度はそれほど⾼くありません。授業に参加してちゃんと聞いていれば⼗分に合格基準に達するでしょう。
スクールや講師によっては、試験に出そうな箇所を特に強調して伝えてくれたりします。また、これも各スクールの⽅針によりますが、万が⼀、不合格でも再テストを受けられる制度を設けているところが多いようです。
受講期間について
受講時間については通学課程130時間、通信課程が最少89.5時間と定められており、これはどのスクールでも基本的には変わりません。ですが、受講期間とスクーリング⽇数は各スクール、各講座によってバラツキがあります。
最も⼀般的な⽇程は「毎週2回・1⽇の受講時間6時間」のケースで、この場合ですと通信課程で約2ヶ⽉(総⽇数16⽇)、通学課程で約2ヶ⽉半〜3ヶ⽉(総⽇数22⽇)となります。
「短期取得コース」も⼈気の講座です。短期コースの場合はだいたいが通信課程となり、週4〜週5のスクーリングで3週間〜1ヶ⽉で取得可能となります。それとは逆に週1⽇の「ロングコース」や、⼣⽅から開講の「夜間コース」などを開講するスクールもあります。
いずれにしてもスクーリングの総時間数が変わることはありません。開講頻度と1⽇の受講時間によって、受講の期間に違いが生じます。
受講料⾦について
受講料⾦も、スクールによって違いが⼤きい項⽬です。
6万円台から8万円台が⼀番多い価格帯となりますが、エリア限定や期間限定キャンペーンでこれより⼤幅に安く設定される講座もあります。
また、同時申し込み割引や早期申し込み割引、紹介割引などといったスクール独⾃のキャンペーンをおこなっていたり、修了後にスクールが紹介する介護事業所に就職すれば受講料を返⾦される制度を設けていたりするところもあります。
さらに、対象講座として指定されていれば、受講⽣が基準に該当した場合に受講料の⼀部が国から返⾦される「教育訓練給付⾦制度」という制度もあります。
スクール・講座を選ぶポイント
スケジュールと取得時期で選ぶ
[受講期間について]で述べたとおり、スクーリングの頻度と1⽇の受講時間によって、取得時期は決まってきます。
もしすでに介護事業所に内定が決まっていて、⼊職⽇までに資格が必要であれば、短期コースを優先的に選ぶべきです。逆に、現在就業中や就学中の⽅が空いている⽇程で取得したいと考えているなら、週1コースや夜間開講コース、⼟⽇コースが選択肢としてあがるでしょう。
初任者研修は、通信課程でも最低89.5時間はスクーリングがあります。特に後半の実技科⽬では体を動かしての講義が中⼼となるので、連⽇での受講となると⾁体的にも疲労が溜まってきます。無理のないスケジュールを選びましょう。
料⾦で選ぶ
[受講料⾦について]のとおり、受講料⾦はスクールによってけっこう差があり、講座を選ぶときの重要なポイントとなります。
⾦額によって取得できる資格が変わるわけではないので、1円でも安く取得したいところではありますが、安い講座は⼈気があり、すぐに定員になってしまいます。最安値にこだわり過ぎてせっかくの取得機会を逃してしまうくらいなら、⾦額⾯はある程度妥協して、今ある講座に申し込むことをおすすめします。
資格を活かして仕事をすれば、すぐに回収できます。
⽴地で選ぶ
スクールの⽴地も重要です。通学課程でも通信課程で通う⽇数に差はありますが、初任者研修は基本的にはスクールに通わなければ取得できません。
安くても遠いところだと、交通費でけっこうな出費になってしまうこともあります。何よりも、⾏くのがめんどくさくなってしまって途中退校などになると、とてももったいないことになります。
⽇程と同じく、無理なく通える範囲で探すのが確実な修了への近道となります。
その他のチェックポイント
スクール独⾃の割引やキャッシュバックキャンペーンもしっかりチェックしましょう。特に資格を取得してすぐに介護職に就職したい⽅は、就職とセットでキャッシュバックがあるキャンペーンを利⽤するのもおすすめです。スクールに配置されているキャリアアドバイザーが、就職や⾯接のアドバイスをしてくれることもあります。
また、やむを得ず講座を休んだ場合に、同時期に開講している別の講座に振替ができる「振替制度」を設けているスクールもあります。特に仕事をしている⽅や⼦育て中の方などにとってはありがたい制度です。振替制度についても有料か無料か、回数制限はあるのか、などスクールによって違いがあります。
ただ、振替制度がないスクールであっても、⽋席時にはなんらかの対応をしてくれるところがほとんどです。1度休んだら退校、といったスクールはまずないので、そこは安⼼してください。
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